夏休みに読みたい小説12選!
暑い、暑すぎます。
こんなときは、プールや海!!もいいけれど、クーラーの効いた部屋で、ゆっくりと読書するのも良いでしょう。
宿題の感想文にもばっちりですし。
というわけで夏休みに読みたい小説12冊選んでみました。
前もって言っておきますが、難しい純文学はありません。ハラハラドキドキ、くすっと笑って、しんみり泣ける、エンタメ小説推奨なのです。
1冊目は、「砂漠」
伊坂幸太郎さんといえば、ゴールデンスランバー、死神の精度、キャプテンサンダーボルト等、たくさんの代表作がありますが、絶対にこの1冊は抑えておきたい。
大学生のお話です。出てくるキャラ、特に西嶋が魅力的で、たくさんの友人より、少なくてもいいから親友って言える人が周りにいたら、それだけで幸せなんだと気付かせてくれます。麻雀で世界の平和のためにピンフっていう役しか作ろうとしない西嶋っていう変わった男と、東堂という無愛想な美しい女性の関係が最高にクールです。
文中に出て来た「いいな」と思った言葉です。
「西嶋は臆さない」
「俺の今までは全部つらいですよ」
「そうじゃないんですよ。笑ってる東堂の隣にいるのは、俺じゃないと嫌だって思ったんですよ」
「これはわたしたち全員にとって、大事なことだからね」
「西嶋と東堂のことは俺たちの問題だからな」
「俺は恵まれないことには慣れてますけどね、大学に入って、友達に恵まれましたよって、西嶋はずっと言ってた」
これぞ、最高の青春小説です。
2冊目は、伊坂幸太郎さんの「ラッシュライフ」
伊坂さんのいくつかの小説に、黒澤という泥棒が出てきます。この黒澤というキャラクターがいいんです。「3652」というエッセイで黒澤の苗字の由来を話されてますが、黒沢清さんという映画監督の名前を拝借したそうです。小説に出てくる黒澤は冷静で男っぽい、男が憧れる男です。
ラッシュライフの面白いところはなんといっても、ばらばらだったストーリーが最後重なり合うところです。しかも巧妙に時間軸さえ変えて。
読みだしたら止まらない。これぞエンタメ!
続いて3冊目は、萩原浩さんの探偵もの、「ハードボイルド・エッグ」
タイトルからするとハードボイルドのような感じがしますが、内容は暑い夏にぴったりのゆるい笑いが盛りだくさんの、それでいてしっかり探偵小説している楽しい一冊です。フィリップマーロウに憧れる主人公とセクシーな秘書のやりとりに腹を抱え、最後にはしれっと涙も流してしまいます。
読後は、きっと温かい気分に包まれるでしょう。
4冊目は真保裕一さんの「奪取」
偽札を作り、騙されて背負わされた街金の借金を返済しようと目論む主人公。
この本で、紙幣の原料になる「みつまた」という植物を知りました。なにげに近所の公園で育っていたりします。
この本の主人公は何度も危機に遭います。その度に名前を変えて、生き延びます。主人公は同じ人物なのに、名前だけが変わっていく。不思議な感覚です。
文庫本は上下巻でかなりのボリュームですが、読んでる途中、先が気になって仕方なく、一気読みに近い感じになりました。
5冊目は、4冊目と同じ作家、真保裕一さんの「ホワイトアウト」
織田裕二さん主演で映画にもなったこの作品、もう何度読んだか、覚えていません。
主人公は苦境に陥ります。しかも、何度も何度も。これでもかっていうほどの絶望がのしかかってきます。
しかし、主人公である富樫は愚直ともいうべき執念で、孤独に闘います。闘い続けるのです。
今、何かを目標に努力している方は必見です。人生において大きな壁にぶつかっている人も富樫を知ったら、その壁を乗り越える勇気をもらえるはずです。人生における苦しい時期に、この小説を読んだからこそ、現在があるように思います。
舞台は冬ですが、熱い男の背中が垣間見えてきます。
6冊目は、木下半太さんの「悪夢のエレベーター」
とにかく読みやすい。2-3時間で読めてしまう、面白さ。
なんなの、これ?というような感じで話が進み、どうなんの、この先!と、どうにも読むのを止められません。エレベーターという密室で、スピード感溢れる展開に仰天です。
小説でありながら、絵の無い漫画、のような感じかも。
本が苦手な人でも、これならいけるっしょ!
7冊目は、三上延さんの「ビブリア古書堂の事件簿」
ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)
- 作者: 三上延,越島はぐ
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2011/03/25
- メディア: 文庫
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剛力さん主演でテレビでもやってましたが、この表紙こそ、主人公の一人、栞子さんです。このシリーズどれも面白いんですが、なにが面白いって、本当によく考えられている、という点でしょう。本にかける情熱というのは、人それぞれで、そこまでする?っていう部分もありますが、それが小説の良いところでもあるわけで、小説は自由だ!ということなんです。
鎌倉に行きたくなりますよ、実際。それで、小説に出て来た風景を思い浮かべながら、彼らの冒険に思いを馳せるわけです。
8冊目は、三浦しをんさんの「神去なあなあ日常」
三浦しをんさんといえば、「舟を編む」もおススメですが、この神去も愛すべきキャラ達が縦横無尽に駆け回ります。
三重弁飛び交う人里離れた山奥で、いやに祭りが多いのが気になりますが、自然と向き合い、性欲と向き合い、他人と向き合う。
wood jobという題名で映画化されたのが記憶に新しいですが、この作品は、本を、本を、読んで欲しいのです。
エロが無ければ小説じゃない、とでも思っているのか、三浦しをんさんの小説は結構エロが登場します。当然、この小説にもヤリたい男の叫びが現れます。
「好いたおなごに、まぐわいを申しこめるんや」
三浦さん、若い男は皆やることばかり考えてるわけじゃないけどね。どうにも誤解もあるようです。こういうセリフばかりじゃないですが、笑って、笑って、楽しかった、そんなふうに思える小説です。
9冊目は、誉田哲也さんの「武士道シリーズ」
全部で三冊あるじゃん、というツッコミはやめましょう。
この武士道は三冊合わせて読むことで、完結します。というか、シックスティーンを読んだら、セブンティーン、さらにはエイティーンと、手に取ることをやめられなくなるのです。
香織と早苗、二人の女子高生の友情が熱く、互いに切磋琢磨し、成長していく姿が、描かれていて、ああこんなハイスクールライフって理想だよな、そんなふうに思います。
男性ではなく、女性が主人公の熱血青春ものって、珍しいのではないでしょうか。
「次は私から打った。メンを二発。捌かれてドウがきた。応じ返してメン。弾かれた。でもすかさず引きゴテ。入ったかな?いや、一本しか上がらなかったみたい。とか思ってたらドウ。続けてメン、体当たり、引きメン、追いかけてったら逆にコテ、でも応じてメンを返す。駄目だ、深すぎたー
ああ、でも楽しい。」
この夏休みにこの本を読み終えたら、いつのまにか竹刀を買って振っているかもしれません。
10冊目は、舞城王太郎さんの「煙か土か食い物」
この本を初めて読んだときは、ぶっ飛びました。オーバーでもなんでもなく、まさしくぶっ飛ぶ、という感覚がふさわしい小説です。
文体もさることながら推理の過程が常人を突き放すように進んでいきます。
あっ、この本、推理小説です。謎解きなんて、まったくできないですど。
「俺は自分の姿を見下ろして《俺》を確認した。アルマーニのコートとその下のホッジ総合病院スタッフバッジ付き白衣。俺は確かにサンディエゴから飛んでやってきた奈津川四郎だ。しかし俺の連続性はまたしてもどこかで途切れてしまったみたいだ。アメリカ・サンディエゴから福井県・西暁町に至る道程のどこかで」
「俺は目を開く。正解!正解正解正解!まったく俺は正しすぎる。神のように正しい。シローノウズウァットガッドノウズ。俺のグレイテスト&ブライテストマインド!」
タランティーノに映画化してもらえると幸いです。
11冊目は、村上春樹さんの「風の歌を聴け」
村上春樹さんの小説はいくつか読んでおりますが、今のところ「この風の歌を聴け」が一番好きです。
世界の終りも1Q84も読んではいませんが、村上春樹さんを読むなら、この本をまず一番におすすめしたい。
12冊目は、市川拓司さんの「そのときは彼によろしく」
「いま、会いにゆきます」も人気がありますが、あえて、この本をおススメします。
昔、海外に遊びに行ったときに、この本を携行したところ、ホテルからほとんど出ることなく、読みふけってしまいました。
現地での楽しいリゾートよりも、物語の世界に引き込まれてしまったのです。
「いま会い」のように悲しい話ではなく、幸福な終焉が描かれているところが良いです。
現実は厳しく、そして悲しく辛いことも多いのに、わざわざ小説の世界に悲しい結末を持ちこむことはないじゃないか、そんな憤りに胸を膨らませる必要がないんです。
夏の思い出に、淡く切ない物語を求めてる方、必見です!
LINE STAMPもおススメです。
Good day!