スーパー歌舞伎ワンピースの良かったところをあげていく
通称ワンピース歌舞伎!行ってきました。
二度目なんですが、充分楽しめました。実際リピーターも多いようです。
幕
誰もが思わず写真に撮りたくなる、そんな幕に仕上がっています。
おなじみの麦わらのみなさんが描かれています。ルフィを中心に、歌舞伎カラーに馴染むキャラクターたち。
この幕は最後に真価を発揮します。観客をワンピースの世界に誘いながら、こんな使い方もあるんだな、と最期まで飽きさせない遊び心が仕組まれています。
映画のように始まり、映画のように終わる。舞台なのに、たんなる舞台じゃない。デジタルとアナログが絡み合うんです。
歌舞伎と現代的な手法の融合
歌舞伎の伝統的な技法とプロジェクションマッピングなど新しい手法が取り入れられ、ワンピースの超人的な世界が彩られています。
歌舞伎の有名な場面や手法については、演者である市川猿三郎さんがブログで説明されていますから、「安心してください、誰でも分かりますよ」と言いたくなります。
早変わりや、ツケ打ち、廻り舞台、静も動も、歌舞伎の手法が、観客を引き込み、舞台を大胆で豪快なものに変貌させます。
そしてそこにデジタル画像が転写され、あるいは、ミュージカルのように現代的な演劇が繰り広げられ、観客がスタンディングし、手拍子をしてしまうという盛り上がりをみせるのです。
水と火
大がかりな仕掛けがあって大量の水が使われます。
舞台なのに、どこからそんなに水が?
けれども、最前列で楽しみたいと思ってしまうのも仕方がないのです。
火も若干使われますが、大量な火は場所的に無理なので、そこは工夫があります。
一方で、昼と夜の部、演じられる役者さんの体力が心配です。どうにも過酷な現場となっております。
エースと赤犬
体力繋がりでいうと、エースと赤犬がそれぞれの能力を使い対決します。
火を使ってないのに、この迫力はいったい何?
その表現方法に激しく感動すると共に、腕や腰は大丈夫?と思わずにはいられません。
毎日、毎日、演じ続ける、その肩や腰にパテックスは必需品でしょう。
なんといっても、ボンクレーとジンベエ、そして白ひげ
ワンピース歌舞伎をご覧になられた多くの方がうなずくことでしょう。
「ボンクレーは、まさしくボンクレーだったし、ジンベエは、間違いなくジンベエだった」
アニメの影響もありますが、もうあの人たちがキャスティングされていなかった場合、このワンピース歌舞伎の魅力は大きく違っていたでしょう、そう確信させるほどなのです。
ボンクレーの坂東巳之助さん、ゾロもスクアードも演じていらっしゃいます。おいおいおいおいホンマかいな?と疑うような演じ分けです。これから熱狂的なファンが増えるんじゃないでしょうか?
ジンベエの市川猿弥さん、アニメの世界から、リアルワールドに現れたとしか思えません。海賊嫌いのジンベエが、スーパー歌舞伎でも、ルフィやエースの力になります。
そして注目したいのが、白ひげの市川右近さん。
なんという貫録、しかも、老人の声を歌舞伎っぽく、雰囲気丸出しで演じています。演技や発声が、歌舞伎とワンピースの融合を象徴してるんです。素晴らしい!
他にも伝えたい魅力がうなるほどあるんですが、実際に観て楽しむのが良いでしょう。
スーパー歌舞伎ワンピースの演出に費やされた創造力や、細部まで考えつくされた表現方法に思いを馳せながら、「ああ、エンターテイメント」、そう呟くのが正しい楽しみ方だと思います。
これが、プロ。
新橋演舞場の入口に掲げられた麦わらたちに、また会いたくなりました。
Good day!