バケモノの子の良かったところを挙げていく
細田監督の最新作、バケモノの子、観てきました。
さすがの宮崎葵
前作、「おおかみ子供の雨と雪」の母親役、「舟を編む」での香具矢役、「神様のカルテ」のハル役、数々のはまり役を持つ宮崎葵さん。その声は細田監督の映画の世界を彩ります。なんでこの人は情感を携えて魅力ある声で演じられるのでしょうか。変幻自在の声は細田監督作品には外せない。宮崎葵さんの声は、まぎれもなく九太の声でした。
大泉洋はいつでも大泉洋
現在放送中の朝ドラ「まれ」で、欠かせない配役である大泉洋さん。来年の大河にも出演される予定ですし、他の映画にも引っ張りだこで、絶好調のご様子です。
大泉洋さんの出演作品、多々ありますが、「アフタースクール」、「グッモーエビアン」が好きだったりします。
その大泉洋さん、まぁ、相変わらずの大泉洋さんでした。多々良というキャラに顔が似てるから配役に抜擢されたわけじゃないでしょうが、多々良が話しているというよりは、大泉洋さんが話してるようにしか思えません。濃すぎるキャラは、この作品でも決して薄まることはありませんでした。
本当にウソップ?
国民的人気を誇るワンピースのウソップといえば、まぁうざい、よく喋る、もう少し静かにしろよ、大ぼらばかり吹きやがって、というのが正直な印象です。その声は耳に粘りつくように響きます。
しかし、そのウソップが、この作品では、まるで別人です。当たり前?
乱暴なところもあるけれど、優しくて、気弱な部分もある二郎丸に変身です。なんだか癒されるように感じられるのも不思議です。
やっぱり出てくる鯨
サマーウォーズにも出てきた鯨が、バケモノの子にもやっぱり出てきます。
細田監督は、鯨が好きで好きで仕方がないのか、絶対的な存在、あるいは、ものすごく大きな感情や象徴、メタファーとして鯨をリスペクトしているのでしょうか。
ただ、白鯨の話が出てくるので、執念みたいなものを表現するには鯨が最適だと思われたのかもしれません。
渋谷の街を、鯨が泳ぐ姿は、なかなかグッとくるものがありました。2020TOKYOオリンピックでも、実際にそういう演出があったりすると感動ものです。
誇らしいな
青年へと成長し、自分を育ててくれた人たちへ、九太が感謝を伝えた後、大泉洋演じる多々良と、リリーフランキー演じる百秋坊が、九太が小さかった頃を思い出しながら、呟きます。
「誇らしいな」
息子が立派に成長してくれた。
それを嬉しく思わない親はいないでしょう。「いつか父親になったら」という日記に引用させてもらった浜田省吾さんの「I am a father」に出てくる父親のように、スーパーマンじゃない、HEROじゃない父親でも、息子の成長は誇れるものですし、おおいに、I proud of you. すべきだと思うんです。誇れるものがあって、それが自分の息子というのは本当に幸せなことだなと感じます。
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父と子の物語です。
主人公の胸にある親を失うことで生まれた大きな喪失感。
失ったものは大きく、簡単には埋まりません。それは、実の父親との再開後の九太のセリフに現れてます。
「そんなに簡単には埋まらない」
けれど、多々良や百秋坊や、なにより熊徹がその失ったものの代わりに、九太の心の芯となるように、自分の命を捧げます。
九太が失ったものにも負けないくらい大きなものを、九太は得たのではないでしょうか。
決してHEROではない父親たちが、息子を見守り、育て、九太を優しくて強い人間へと導きました。
ああ、というわけで、今度は型破りな検事が活躍する「HERO」を観に行こうと思います。
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Good day!